高齢者介護にはQOLの向上が非常に重要

介護業界で資格を持って仕事をしていると、QOLという言葉をよく使います。QOLとは「QualityofLife」の略で、「生活の質」を意味します。

QOLというのは、昔は病棟など医療現場で使われる言葉でしたが、高齢化が進む中で介護業界にも浸透していきました。 2000年に介護保険サービスがスタートした頃は、介護職の役割は、身体機能が低下した高齢者のサポートの役割が重要視されていました。したがって、この頃の介護の実態は、QOLよりもADL(日常生活動作)が重要視されていました。

介護職の役割は、利用者が加齢や病気などで出来なくなったことを代行する仕事だったのです。介護業界の発展や広がりで介護職の視野が広がり、高齢者が「出来ないこと」に着目するだけではなく、高齢者の自立を尊重する考えに変化していきました。利用者が高齢になって出来なくなった事を介護職の人が交代しているだけでは、その利用者は手伝ってもらう仕事が増えていくしかなくなります。しかし、それぞれの利用者のQOLに視点を置き換えてみると、一時的に低下した機能を補って再び自立した暮らしにつながっていくことがわかったのです。

QOLを考えた介護には、利用者のポジティブな未来が予測できます。高齢者のQOLを考えた介護を行うには、栄養バランスが整った食事の摂取が必要です。また、リハビリの導入や福祉サービスの活用が必要不可欠です。((詳しくはこちらを参照))

つまり、これをカバーできるのが、通所サービスの利用になります。自宅で訪問介護サービスを受けることもいいことですが、家から出て他人と接することが、精神的に良い刺激を与えることになります。定期的に楽しみを見つけることで、高齢者の生活の幅を広げることができます。